好酸球性胃・十二指腸炎に抗Siglec-8抗体薬lirentelimab登場
Anti-Siglec-8 Antibody for Eosinophilic Gastritis and Duodenitis
背景
好酸球性胃・十二指腸炎治療には決め手がない。University of North CarolinaのDellonら(ENIGMA)は、65名の同患者を対象として、新規好酸球・マスト細胞阻害抗Siglec-8抗体薬lirentelimabの効果・安全性を検証する第2相試験を行った(実薬2用量とプラセボ)。一次エンドポイントは、最終投与後2週時点での消化管好酸球数のベースラインからの変化率である。
結論
Lirentelimabの一次エンドポイント効果を認めた(差の最小二乗平均-98パーセントポイント)。治療応答等二次エンドポイントでも効果があった。実薬群は静注関連有害事象が多かった。
評価
有害事象の多いステロイドしか選択肢がなかった難治疾患への、初めての本格的標的化抗体薬である。このP2結果で承認は確実とみられるが、進行中のP3最終結果は注目される。