世界最大のワクチン信頼度調査:日本は「反ワクチン」国?
Mapping global trends in vaccine confidence and investigating barriers to vaccine uptake: a large-scale retrospective temporal modelling study
背景
反ワクチン運動が広がっている中、現在まで最大の世界各国住民のワクチン信頼度調査が行われた。英国London School of Hygiene & Tropical MedicineのLarsonらによるもので、2015年9月〜2019年12月に行われた149ヶ国(284,381名)を対象とした290件の調査データを使用し、ワクチンの安全性・重要性、・有効性への各国住民の信頼度を分析した。
結論
2015年11月〜2019年12月に、ワクチンの重要性・安全性・有効性に対する信頼度がアフガニスタン・インドネシア・パキスタン・フィリピン・韓国で低下した。アフガニスタン・アゼルバイジャン・インドネシア・ナイジェリア・パキスタン・セルビアの6ヶ国で、2015〜2019年の間にワクチンが安全であることに強く反対する回答者が大幅に増加した。フィンランド・フランス・アイルランド・イタリアを含む一部のEU加盟国では、2018〜2019年に信頼度が向上したが、ポーランドでは低下した。ワクチンの重要性(安全性・有効性でなく)への信頼が、ワクチン接種実施と最も強く関連した。個人の宗教的信念とワクチン接種の間に関連性がある場合には、少数派宗教の信者でワクチン接種率が低かった。
評価
ワクチンが安全と答えた割合の最高3国はアルゼンチン(89.4%)・リベリア(86.1%)・バングラディッシュ(86.1%)、最低3国は日本(8.9%)・フランス(8.9%)・モンゴル(8.1%)であった。日本は有効性に同意する住民の割合も最低レベルであった(14.7%)。衝撃的な結果である。