COPD患者への夜間酸素投与のDBRCTを断念
Randomized Trial of Nocturnal Oxygen in Chronic Obstructive Pulmonary Disease
背景
慢性閉塞性肺疾患(COPD)で夜間のみ低酸素血症となる患者に夜間酸素療法が試みられることがあるが、有効か。カナダInstitut Universitaire de CardiologieのLacasse(INOX)らは、これを検証するRCTを行った(n=600を計画、対照:プラセボ)。患者は夜間パルスオキシメトリー記録時間の30%以上が酸素飽和度90%未満であった。一次アウトカムは、ITT集団における全死因死亡と NOTT準拠長期酸素療法必要性の複合である。
結論
243名の無作為化時点で、募集継続困難のため試験を早期終結した。結果は95%信頼区間が広く、確定不能である。
評価
重要な問題であるためDBRCTもメタアナリシスもすでに行われているが、結論がでていない。決定を試みた試験だったが不成立に終わった。研究者らの印象は、「効果にはばらつきが大きい」ということのようである。NEJMが、中途終結して方向性も見出さなかった試験結果を掲載するのは珍しい。