血友病Aに対するFVIII保護融合タンパクBIVV001は有望
BIVV001 Fusion Protein as Factor VIII Replacement Therapy for Hemophilia A
背景
血友病治療に新機軸が増えてきているが、融合タンパクを利用する新しいアプローチが有望性を示した。The University of WashingtonのKonkleらによるもので、治療歴のある重症血友病A男性患者16名を対象として、組み換え第VIII因子(FVIII)とvon Willebrand因子(VWF)D'D3ドメインの融合タンパクBIVV001(rFVIIIFc-VWF-XTEN)の効果・安全性を検証する第1・2a相試験を行った。
結論
BIVV001単回静脈内注射によるFVIII活性の高レベル維持を確認した(半減期は組み換えFVIIIの最大4倍)。28日間使用で安全性懸念を認めなかった。
評価
組み換えFVIIIにVWFの機能ドメインを共有結合させて内因性VWFとの結合を阻害する、というバイオエンジニアリングの巧技である。現在のデータでは注射を週一回にできるというが、改良もありえる。大規模長期検証が期待される。