世界脳死プロジェクトが初めて国際的脳死基準を勧告
Determination of Brain Death/Death by Neurologic Criteria: The World Brain Death Project
背景
現在の世界の脳死基準は1968年のHarvard基準に準拠しているが、様々なバーションが成立している。世界集中治療・救急医学連盟、世界神経医学連盟、世界脳神経外科学連盟等、5つの世界規模医学会と専門家らは、The World Brain Death Projectの立ち上げ、脳死/神経学的基準による人の死(BD/DNC)判定のための「最低限の臨床基準」を提案した。
結論
全体として日本の法的脳死判定基準と大差ないが、深昏睡の定義には痛み刺激だけではなく侵害的(noxious)音刺激や視覚刺激に対する反応が見られないことが含まれている。また、断管試験ではPaCO2≧60だけでなくPH:7.3という条件で無呼吸の判定を行うべきことが示されている。他方、脳波測定は判定基準に含まれてはおらず、臨床的脳死判定検査が完遂できなかった場合に脳血流検査と同様に補助検査として検討されるべきとしている。
評価
世界の専門家の基礎コンセンサスを反映する妥当な最低限基準提案だが、「Brain Death脳死」という用語に代えて「Death by Neurologic Criteria神経学的な基準による人の死」という用語の使用を促していることが印象的である。「侵害的(noxious)」の定義に議論の余地があり、全体的には日本の法的脳死判定とは必ずしもすべては一致はしないが、以後の議論のための必須基礎文献である。


