長期RNAseq追跡で、RA再燃をPRIMINGするPRIME細胞を同定
RNA Identification of PRIME Cells Predicting Rheumatoid Arthritis Flares
背景
関節リウマチ(RA)再燃の分子機構は不明である。Rockefeller UniversityのOrangeらは、RA患者自身による自宅採血システムを用い、同患者の経時RNA配列解析(RNAseq)を行った。患者数は4名、4年間で1名では364時点の、他の3名では235時点の検体を解析した。
結論
全患者で再燃前1〜2週間に、血液の転写プロファイルに一貫した変化がみられた。特に、B細胞活性化の後に出現する、循環CD45-CD31-PDPN+の特異細胞を同定し、pre-inflammation mesenchymal(前炎症性間葉系:PRIME)細胞と命名した。細胞特性は炎症性滑膜線維芽細胞と類似しており、全例で再燃前に増加した後再燃中に減少した。
評価
指尖採血血液を元に4年間単一細胞RNAseq解析を繰り返す、という印象的なアプローチで新細胞を同定し、狭義の免疫系細胞でない間葉系細胞がRAの再燃を駆動するという新しい概念を生成した。世界中で追試されることになる。