中等〜最重症のCOPDで、2用量ステロイドで3剤併用吸入療法の有益性を検証:ETHOS
Triple Inhaled Therapy at Two Glucocorticoid Doses in Moderate-to-Very-Severe COPD
背景
慢性閉塞性肺疾患(COPD)に対する吸入ステロイド・長時間作用性抗コリン薬(LAMA)・長時間作用性β2刺激薬(LABA)の3剤併用療法の有益性は、コンセンサスになりつつある。ドイツLungenClinic GrosshansdorfのRabeら(ETHOS)は、中等〜最重症COPD患者を対象として、これを検証する第3相試験を行った(n=8,509)。患者を、1日2回吸入3剤併用療法2群(吸入ステロイド[ブデソニド320μg/160μg]+LAMA+LABA)と2剤併用療法2群(ブデソニド320μg+LABA;LAMA+LABA)に 割り付けた。一次エンドポイントは、中等〜重度のCOPD 増悪の年間発生率である。
結論
ブデソニド(160μg/320μg)3剤併用療法の2剤併用療法への一次エンドポイント優位を認めた(RR:0.76〜0.87)。有害事象発生率に群間差はなかった。
評価
3剤併用の2剤併用への優位性を確認するものだが、著者らは結果の詳細検討から「むしろ低用量(160μg)の方が良いのではないか」という議論をしており、重要論点である。