武漢から深センへ:COVID-19(新型コロナウイルス感染症)最初期伝播を記録
Epidemiology and transmission of COVID-19 in 391 cases and 1286 of their close contacts in Shenzhen, China: a retrospective cohort study

カテゴリー
Top Journal
ジャーナル名
The Lancet
年月
April 2020
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背景

深セン市は、中国武漢市に発生した新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)感染症(COVID-19)が最初に伝播した都市のひとつである。同国Shenzhen University(深セン大学) のMaらは、2020年1月14日~2020年2月12日に同定された感染者391名と濃厚接触者1,286名に関する統合報告を行っている。

結論

感染者は平均年齢45歳、男性187名、女性204名であった。91%の初期評価時症状は軽度~中等度であった。2020年2月22日時点で、3名が死亡、225名が回復した(回復日数中央値:21日)。発症から隔離までの平均日数は4.6日であったが、トレーシング同定者では平均1.9日間短縮した。同居者・旅行同行者の2次感染発生リスクは高かった(OR:6.27・7.06)。家庭での2次感染率は11.2%で、子供も成人と同じ程度の感染率であった(10歳未満で7.4%)。再生産数(R)は0.4、発症間隔(serial interval)は平均6.3日であった。

評価

武漢からの、多くは若い旅行者によるウイルス流入に関する貴重な記録である。同市は2月8日にロックダウンされた。中国各主要都市では、素早いロックダウンにより病院・老人施設や貧民街といった脆弱集団への持ち込みが相当程度有効に阻止された可能性がある。

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(Top Journal)

The New England Journal of Medicine(NEJM)、The Journal of the American Medical Association(JAMA)、Lancet、Nature、Nature Medicine、Science、Science Translational Medicine、Cell