世界のCOVID-19のホットスポットNYから入院患者5,700名を報告
Presenting Characteristics, Comorbidities, and Outcomes Among 5700 Patients Hospitalized With COVID-19 in the New York City Area
背景
ニューヨークは、武漢をしのぐ世界の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のホットスポットとなった。Northwell HealthのRichardsonらは、2020年3月1日〜2020年4月4日に同エリア12施設に入院した同患者のプロファイルを報告している(n=5,700、年齢中央値63歳、女性39.7%)。一次アウトカムは、機械的換気・腎代替療法・死亡である。
結論
最も一般的な基礎疾患は、高血圧(56.6%)・肥満(41.7%)・糖尿病(33.8%)であった。トリアージ時、30.7%に発熱、17.3%が呼吸数数24回/分があり、27.8%が酸素補充を受けた。他の呼吸器ウイルスの同時感染率は2.1%であった。退院または死亡患者(n=2,634)では、14.2%がICU管理、12.2%が機械的換気、3.2%が腎代替療法を受けており、死亡率は21%であった。
評価
現在まで最大のケースシリーズ報告である。男性・高齢他のリスク因子に関しては周知となっている。「人工呼吸した患者は90%助からない」という報道がなされたが、この報告発表時点では未だ患者の53.8%が入院中、という状態で、死亡率を含め最終所見ではない。米では人工呼吸1ヶ月というような例が続出しているようである。最近では、入院・死亡患者の人種性や社会経済ステータスの問題が浮上している(https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMp2012910)。