ミュンヘンからCOVID-19非重症入院患者9名のウイルス学を報告
Virological assessment of hospitalized patients with COVID-2019
背景
ドイツは新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)感染症COVID-19の社会的制御でも科学的研究・開発でも世界をリードしている。同国Charite Universitatsmedizin BerlinのWendtnerらは、9名の基礎疾患のない中年以下成人非重症入院患者を対象におこなったウイルス学的分析結果を報告している。
結論
第1週の喉頭シェディングは高度で、極値7.11 × 10^8 RNAコピー/スワブ日に達した。便中RNAは高値だがウイルスは単離できず、血・尿中には検知しなかった。主増殖は咽頭だが、肺増殖群は異シーケンスであった。痰中RNA排出は症状消失後も続き、セロコンバーションは一週後から過半となった。
評価
4月1日付で発表されたミュンヘン1月23日の非インデックス患者データで、中国の報告に先行する重要な最初期症例報告である。 SARSケースとの興味深い異同も記録されている。実践的には、軽症期の感染性が強いこと、痰検査は必要ないこと、退院適応は「発症10日以後、 痰ウイルスRNAコピー数<10万」、といった情報が示されている。非ARDS症例であり、重症化の鍵は何かという重要問題は未だ不詳である。