COVID-19ウイルス(2019-nCoV:SARS-CoV2)の歴史的第一報告
A Novel Coronavirus from Patients with Pneumonia in China, 2019
背景
中国CDCのTanらは、2019年12月27日の武漢市入院成人患者3名(1名が死亡、2名が回復)の検体から同定したCOVID-19 (新型コロナウイルス感染症)病原ウイルス(SARS-CoV2[論文発表時点では2019-nCoV])のゲノム解析結果を報告している。
結論
ウイルスは肺炎患者の下部気道サンプルから分離・培養され、RT-PCRでウイルスRNAを同定、WGSを行った。系統解析によりベータコロナウイルス属に分類され、SARS-CoVおよびMERS-CoVに類似するが明確に異なり、コウモリSARS様コロナウイルスに近縁であることが示された。
評価
2月20日付の歴史的第一報だが、NEJM発表時点ではすでに各国研究者に全ゲノムが周知されていた。この論文では「Koch公準を未だ満たしていない」という留保さえみられる。3月下旬現在では、ウイルス自体に関しては特に近接オリジン問題がクローズアップされている(https://www.nature.com/articles/s41591-020-0820-9)。