致死的サイトメガロウイルス感染症を起こす新規先天性免疫不全症を同定
Fatal Cytomegalovirus Infection in an Adult with Inherited NOS2 Deficiency
背景
サイトメガロウイルス(CMV)感染症はありふれていて多く無症状だが、時に重症例が存在する。Rockefeller UniversityのCasanovaらは、51歳の重症例男性患者からの新規遺伝子疾患の同定を報告している。患者は急性CMV感染後に進行性CMV感染症を発症し29ヵ月後に死亡したイラン出身男性であった。
結論
NOを産生しない短縮NOS2タンパクをコードするNOS2にホモ接合型フレームシフト変異を同定し、患者に常染色体劣性NOS2欠損があったことが示された。公開データベースに認めたホモ接合型NOS2変異はすべて機能性タンパクをコードしており、アレル頻度が0.001を超える他変異もすべて同様であった。
評価
Nos2欠損マウスがマウスCMV感染症を起こしやすいことから生成した仮説を検証した一例研究である。100万人に一人というレベルの新規希少疾患を同定し、すでに400以上にのぼる先天性免疫不全症に新型を加えた。