胎内炎症が統合失調症発症と関連する?
Cytokine concentrations throughout pregnancy and risk for psychosis in adult offspring: a longitudinal case-control study
背景
胎内でのサイトカイン曝露が後の神経疾患と関連している、という仮説が注目されている。Yale UniversityのAllswedeらは、妊娠中母体のサイトカイン血清濃度を、児が出生後精神疾患を発症した群、精神疾患を発症した同胞を持つ群、健常児群でそれぞれ比較する縦断ケース・コントロール研究を行った(症例:n=90、対照:n=273[健常児])。
結論
出生後に精神疾患を発症した児を妊娠中の母体TNF-α・IL-1β・IL-6濃度は、妊娠初期(7〜20週)においてのみ対照健常児に比し有意に高かった。
評価
アメリカで本格研究されている問題で、2018年にはNYU・NIHから、低IQ等がTNF-α・IL-8と相反的に関連する、というデータが出されている(https://www.nature.com/articles/s41398-018-0112-z)。さらに深化させられるべき仮説である。