胎内炎症が統合失調症発症と関連する?
Cytokine concentrations throughout pregnancy and risk for psychosis in adult offspring: a longitudinal case-control study

カテゴリー
その他
ジャーナル名
The Lancet Psychiatry
年月
February 2020
Online first
開始ページ
Online first

背景

胎内でのサイトカイン曝露が後の神経疾患と関連している、という仮説が注目されている。Yale UniversityのAllswedeらは、妊娠中母体のサイトカイン血清濃度を、児が出生後精神疾患を発症した群、精神疾患を発症した同胞を持つ群、健常児群でそれぞれ比較する縦断ケース・コントロール研究を行った(症例:n=90、対照:n=273[健常児])。

結論

出生後に精神疾患を発症した児を妊娠中の母体TNF-α・IL-1β・IL-6濃度は、妊娠初期(7〜20週)においてのみ対照健常児に比し有意に高かった。

評価

アメリカで本格研究されている問題で、2018年にはNYU・NIHから、低IQ等がTNF-α・IL-8と相反的に関連する、というデータが出されている(https://www.nature.com/articles/s41398-018-0112-z)。さらに深化させられるべき仮説である。

関連するメディカルオンライン文献

大規模臨床試験、新規の薬・機器・手法・因子・メカニズムの発見に関する文献を主に取り上げ、原文の要約と専属医師のコメントを掲載。

(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(その他)

The New England Journal of Medicine (NEJM)、Lancet、Journal of the American Medical Association (JAMA)、British Medical Journal (BMJ)、Annals of Internal Medicine (Ann Intern Med)