可溶性ウロキナーゼ受容体とAKIの関連を確定
Soluble Urokinase Receptor and Acute Kidney Injury
背景
腎疾患に対する可溶性ウロキナーゼ型プラスミノゲンアクチベータ受容体(suPAR)の役割が注目されている。University of MichiganのHayekらは、suPAR高値が急性腎障害(AKI)を起因しうるかどうかを検討する臨床・前臨床研究を行った。臨床研究では、CAG(n=3,827)・心臓手術(250)・ICU患者(692)でsuPARの血漿濃度を測定し、7日時点でのAKI(一次アウトカム)等を評価した。前臨床研究では、ウロキナーゼ型プラスミノゲンアクチベータ受容体(uPAR)に対するモノクローナル抗体の造影剤AKIに対する効果をトランスジェニックマウスで検討、またヒト腎近位尿細管(HK-2)細胞に組換え suPARを曝露させで細胞エネルギーダイナミクスと活性酸素種産生を検討した。
結論
CAG患者での、suPAR濃度最高四分位群の最低四分位群に対する一次アウトカムリスク増を確認した(調整OR:2.66)。心臓手術患者・ICU患者でも同様であった。造影剤を投与したsuPAR過剰発現マウスは、野生型マウスと比較してAKIの機能的・組織学的所見が多かった。suPAR処理した HK-2細胞では、エネルギー需要とミトコンドリアによるスーパーオキサイド産生が亢進していた。抗uPARモノクローナル抗体による前処置はsuPAR過剰発現マウスのAKIを緩和し、HK-2細胞の代謝異常を是正した。
評価
suPARが腎障害のバイオマーカーとなる、という仮説を確証段階にもたらしたばかりでなく、その病因的役割を示唆して治療戦略への架橋可能性を示す重要研究である。


