「精神疾患患者はがん死亡率が高い」は検診バイアス?
Disparities in cancer screening in people with mental illness across the world versus the general population: prevalence and comparative meta-analysis including 4 717 839 people

カテゴリー
その他
ジャーナル名
The Lancet Psychiatry
年月
January 2020
7
開始ページ
52

背景

精神疾患罹患者は悪性腫瘍死亡率が高いとされている。イタリアUniversity of PaduaのSolmiらは、その原因が癌検診低受診率であるという仮説を検証するシステマティックレビュー・メタアナリシスを行った(n=4,717,839、コントロール:4,216,280)。一次アウトカムは、一般集団に比した、精神疾患罹患集団の癌スクリーニングオッズ比である。

結論

精神疾患罹患者群は、悪性腫瘍の種類を問わず癌検診受診率が低かった(OR:0.76)。ただし、大腸がんのみは有意差が見られなかった。

評価

有力仮説を大規模メタアナリシスで支持した。「検診の積極受診者は健康(検診の健康バイアス)」問題の一例であり、精神科実践へのインパクトは大きい。

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(その他)

The New England Journal of Medicine (NEJM)、Lancet、Journal of the American Medical Association (JAMA)、British Medical Journal (BMJ)、Annals of Internal Medicine (Ann Intern Med)