手術時の麻酔深度は生命予後に影響するか
Anaesthetic depth and complications after major surgery: an international, randomised controlled trial

カテゴリー
Top Journal
ジャーナル名
The Lancet
年月
November 2019
394
開始ページ
1907

背景

手術時の麻酔深度と予後の関連は。ニュージーランドAuckland City HospitalのShortらは、手術(2時間以上、入院予定2日以上)を受ける合併症のある60歳以上の患者を、浅麻酔(目標BIS値50)と深麻酔(目標BIS値35)にランダムに割り付け、麻酔深度と予後の関連を検証するRCTをおこなった(n=6,644)。一次アウトカムは、1年全死因死亡である。

結論

一次アウトカムに群間有意差はなかった。グレード3有害事象は浅麻酔群で29%、深麻酔群で27%、グレード4は両群とも8%であった。

評価

医師・患者ともに気になる重要問題で長く研究テーマになってきているが、これはBalanced Anaesthesia Study Groupが組織した最大の本格国際RCTである。BISが推測する麻酔深度の浅深と術後一年の予後には差がなかった。麻酔は吸入麻酔が用いられTIVAの評価はされておらず、同グループによる更なる決定的RCTが期待される。

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(Top Journal)

The New England Journal of Medicine(NEJM)、The Journal of the American Medical Association(JAMA)、Lancet、Nature、Nature Medicine、Science、Science Translational Medicine、Cell