手術時の麻酔深度は生命予後に影響するか
Anaesthetic depth and complications after major surgery: an international, randomised controlled trial
背景
手術時の麻酔深度と予後の関連は。ニュージーランドAuckland City HospitalのShortらは、手術(2時間以上、入院予定2日以上)を受ける合併症のある60歳以上の患者を、浅麻酔(目標BIS値50)と深麻酔(目標BIS値35)にランダムに割り付け、麻酔深度と予後の関連を検証するRCTをおこなった(n=6,644)。一次アウトカムは、1年全死因死亡である。
結論
一次アウトカムに群間有意差はなかった。グレード3有害事象は浅麻酔群で29%、深麻酔群で27%、グレード4は両群とも8%であった。
評価
医師・患者ともに気になる重要問題で長く研究テーマになってきているが、これはBalanced Anaesthesia Study Groupが組織した最大の本格国際RCTである。BISが推測する麻酔深度の浅深と術後一年の予後には差がなかった。麻酔は吸入麻酔が用いられTIVAの評価はされておらず、同グループによる更なる決定的RCTが期待される。