妊娠中のn-3系脂肪酸サプリに、今度は「無益」判定:ORIP
A Randomized Trial of Prenatal n-3 Fatty Acid Supplementation and Preterm Delivery
背景
妊娠期のn-3系不飽和脂肪酸摂取が早産発生率を低下させるという報告がある。オーストラリアSouth Australian Health and Medical Research InstituteのMakridesらは、5,486名の妊婦を対象としてこれを検証するRCTを行った(対照:微量の介入薬を含む植物油カプセル)。参加者には、妊娠20週未満から34週/出産までn-3系長鎖多価不飽和脂肪酸900mgを含む魚油カプセルまたは対照カプセルを連日投与した。一次エンドポイントは早期早産(妊娠34週未満の出産)である。
結論
一次エンドポイントに有意な群間差はみられなかった(aRR:1.13)。LGA児の割合がn-3群で高かったが(aRR:1.30)、過産期の介入発生率・有害事象・妊娠/新生児転帰に群間差はみられなかった。
評価
先行試験DOMInO・KUDOSが示した効果を否定した。脂肪酸サプリメントは摂取率が高く、ベースラインで「不足」の参加者はほとんどなかったようである。著者らはLGA児率が有意に高かったことを重視しており、同サプリに関しては系統レビューによる再評価や決定RCTが必要となろう。