天然痘に新ワクチン登場
Phase 3 Efficacy Trial of Modified Vaccinia Ankara as a Vaccine against Smallpox
背景
天然痘は「絶滅」したとは限らない。デンマークBavarian Nordic社のChaplinらは、同社開発による改変ワクシニアアンカラ(MVA)の有効性・安全性を検証する第3相試験を行った。参加者440名を、MVAを2回接種した後複製ワクシニアワクチンACAM2000を1回接種する群(MVA群)と、ACAM2000を1回接種する群(ACAM2000単独群)に割り付けた。一次エンドポイントは、血清中和抗体価のピークに関するMVAワクチンのACAM2000に対する非劣性、およびMVAの先行接種によるACAM2000への重症皮膚反応の減弱である。
結論
MVAの一次エンドポイント非劣性を認めた(中和抗体価ピーク値:153.5 vs. 79.3)。セロコンバージョン比率も同等で、重症皮膚反応も減弱した(面積減97.9%)。
評価
同ワクチンの開発はアメリカ政府にバックアップされているが、ウイルスの自然的再興に備える意味よりもバイオテロリズム対策の意味の方が大きいとみられる(https://www.cdc.gov/smallpox/bioterrorism/public/index.html)。