COPD増悪予防にβブロッカーは無益?
Metoprolol for the Prevention of Acute Exacerbations of COP
背景
β遮断薬メトプロロールは、中等症〜重症の慢性閉塞性肺疾患(COPD)の増悪リスクを軽減するか。University of AlabamaのDransfieldら(BLOCK COPD)は、他のβ遮断薬適応疾患がない中等度〜重度のCOPD患者に対するメトプロロールの急性憎悪予防効果を検証するRCTをおこなった(n=532、対照:プラセボ)。一次アウトカムは、最初のCOPD増悪までの期間である。
結論
一次アウトカムにおいて有意な群間差はなかったが、重症・最重症化率はメトプロロール群が高かった(1人あたり年間0.45 vs. 0.28)。試験は、一次アウトカムと安全性理由により早期中止された。
評価
観察研究で示唆されていた増悪予防効果を本格検証したRCTだったが、意外にも無益であった。NEJM Editorialは、観察研究では心血管疾患合併患者が多かったと推測し、COPD患者には心血管疾患合併症患者が多いため、ここでの結果を「COPD増悪予防にβブロッカーは無益」と解釈しないよう注意している。