便微生物移植(FMT)で初めての死者
Drug-Resistant E. coli Bacteremia Transmitted by Fecal Microbiota Transplan
背景
便微生物移植(FMT)の有用性が認知され、多適応への検証が進んでいるが、2019年6月に重症化・死亡例が発生し衝撃を与えた。Massachusetts General HospitalのHohmannらは、基質特異性拡張型β-ラクタマーゼ(ESBL)産生大腸菌菌血症を発症した患者2名について病原報告を行っている。
結論
両ケースとも、ゲノム解析によりESBL産生大腸菌を保有する同一便ドナーにリンクされた。
評価
肝障害およびHSCT患者への効果をみる、という野心的な二つの臨床試験で発生した重大な有害事象であり、両試験とも即刻中止された。ESBL産生大腸菌は2019年1月までスクリーニングプロトコルに入っていなかった。FMTが「安全・温和」な手法である、という見方を覆した重要事象である。