ピーナッツアレルギーへの経口免疫療法は未だ「途上」
Sustained outcomes in oral immunotherapy for peanut allergy (POISED study): a large, randomised, double-blind, placebo-controlled, phase 2 study
背景
ピーナッツアレルギーに対する経口免疫療法(OIT)は持続的効果を得られるか。Stanford UniversityのNadeauら(POISED)は、これを検証する第2相試験を行った。ピーナッツアレルギー確診患者120名を対象に、104週までピーナッツタンパク質4000mgを漸増してOITを終了する群(ピーナッツ-0群)、104週までピーナッツタンパク質4000mgを漸増し、300mgに減量する群(ピーナッツ-300群)、プラセボ群に無作為に割り付けた。一次エンドポイントは、104週と117週における蓄積量4000mg負荷試験(DBPCFC)陰性者率である。
結論
一次エンドポイント効果は、ピーナッツ-0群で35%、ピーナッツ-300群で54%、プラセボ群で4%にみられた(ピーナッツ-0群 vs. プラセボ群:OR:12.7・p=0.0024、ピーナッツ-0群 vs. ピーナッツ-300群:OR:0.5・p=0.086)。主な有害事象は軽度消化器症状、皮膚症状であった。ベースラインのピーナッツ特異的IgG4/IgE比高値・Ara h 2 IgE低値・好塩基球活性化低反応は、OITの持続的効果と関連した。
評価
OITは約三分の一以上の患者で有効という結論で、免疫学的バイオマーカーによる基礎づけの比較解析もなされている。しかし、エンドポイント以降での脱感作の持続性は明確でなく、方法論も結論も最終的ではない。