カンナビノイドの精神疾患への利用に良質エビデンスはない
Cannabinoids for the treatment of mental disorders and symptoms of mental disorders: a systematic review and meta-analysis
背景
カンナビノイドの精神疾患への利用の研究はすでに数多い。オーストラリアNew South Wales UniversityのBlackらは、うつ・不安・ADHD・Tourette症候群・PTSD、成人患者へのその効果を検証した83論文のシステマティックレビュー・メタアナリシスを行った。一次アウトカムは、前記疾患に伴う症状の緩和・改善である。
結論
医療用テトラヒドロカンナビノール(THC)が非癌性疼痛や多発性硬化症に随伴する不安症状を改善した等の一定のポジティブ結果があるが、エビデンスの質は非常に低い。また、精神病の陰性症状を悪化させたという結果も多い。
評価
期待が先行している領域だが、エビデンスレベルの低さを厳しく指摘するレビューとなった。現時点では有用とは認めらない。


