黄斑部毛細血管拡張症(MacTel)とHSAN1のリスクバリアントを同定
Serine and Lipid Metabolism in Macular Disease and Peripheral Neuropath
背景
黄斑部毛細血管拡張症(MacTel)2型は、セリン代謝異常と関連することが知られている。Lowy Medical Research InstituteのFriedlanderらは、その原因変異の特定を報告している。
結論
MacTel 2型男性患者 とその家族のエクソーム配列解析により、serine palmitoyltransferase(SPT)サブユニットをコードするSPTLC1のバリアントを同定した。また、同変異と関連する遺伝性感覚・自律神経性ニューロパチー1型(HSAN1)患者11名中9名はMacTel 2型を合併していた。SPT病原性変異をもたないMacTel 2型患者では、血中デオキシスフィンゴ脂質(deoxySLs)濃度が84.2%高い一方セリン濃度は低かった。deoxySLsによる視機能障害は、マウスレおよび網膜オルガノイドレベルで確認された。
評価
著者らの結論は、「非定型deoxySLs濃度の上昇はSPTLCバリアントまたはセリン濃度低下により誘導され、これはMacTel・HSAN1の危険因子である」という慎重なものだが、MacTelの原因(関連)遺伝子(の一つ)の、初めての報告といえる。