イギリスでは成人の26%が依存性・退薬症候高リスク薬を処方されている
Medicines associated with dependence or withdrawal: a mixed-methods public health review and national database study in England

カテゴリー
その他
ジャーナル名
The Lancet Psychiatry
年月
October 2019
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背景

イギリスにおける依存性・退薬症候高リスク薬の処方状況は。同国Public Health EnglandのMarsdenらは、これら薬剤の処方頻度とその地域差や継続服用期間を推定する多手法レビューを行った(混合メソッド公衆衛生レビュー・国家データベース研究)。調査の対象薬は、抗うつ薬・オピオイド・ガバペンチノイド・ベンゾジアゼピン系薬・Z薬、対象患者は18歳以上である。

結論

2017〜2018年に、調査対象薬5剤中1剤以上が処方されていた患者は、英国成人人口の26%にも上った。抗うつ薬・オピオイド・ガバペンチノイドは、貧困地域での処方が多かった。ガイドラインで長期使用が推奨されていないにもかかわらず、調査対象薬を12ヶ月以上継続して処方されている患者は全体の50%にも上った。長期処方と貧困度には相関が見られた。

評価

イギリスでの依存性高リスク薬処方のショッキングな状況を示す実態報告である。アメリカではこのような広汎薬に関する全国調査は見られないようだが、2015年には成人の1/3以上がオピオイドを使った、という調査結果がある(https://annals.org/aim/article-abstract/2646632/prescription-opioid-use-misuse-use-disorders-u-s-adults-2015)。

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(その他)

The New England Journal of Medicine (NEJM)、Lancet、Journal of the American Medical Association (JAMA)、British Medical Journal (BMJ)、Annals of Internal Medicine (Ann Intern Med)