最大のRCTが示唆するSSRIセルトラリンの用法
The clinical effectiveness of sertraline in primary care and the role of depression severity and duration (PANDA): a pragmatic, double-blind, placebo-controlled randomised trial
背景
抗うつ薬の臨床試験は普通二次ケア患者を対象として行われるが、実際に多く処方されるのは軽症のプライマリケア患者である。英国University College LondonのLewisら(PANDA)は、現段階で抗うつ薬による臨床的改善の有無が不明で過去2年間うつ症状を有するプライマリケア患者を対象として、セルトラリンの効果を検証するプラグマチック多施設RCTを行った(対照:プラセボ、n=655)。一次アウトカムは、ランダム化6週間後のうつ症状である(PHQ9スコア)。
結論
セルトラリンの一次アウトカム効果を認めなかった。臨床的に重要とされる不安感・QoL・自己評価精神健康度(二次アウトカム)の改善には寄与した。
評価
スポンサーなしの抗うつ薬プラセボ対照臨床試験としては最大のものである。著者らは「メジャーなうつ症状の改善は望めないが、軽症〜中等症患者には有益であろう」としており、SSRI一般の用法への示唆を与える。