潰瘍性大腸炎でベドリズマブとアダリムマブをhead-to-head比較
Vedolizumab versus Adalimumab for Moderate-to-Severe Ulcerative Colitis

カテゴリー
Top Journal
ジャーナル名
The New England Journal of Medicine
年月
September 2019
381
開始ページ
1215

背景

NEJMは、潰瘍性大腸炎(UC)に対するバイオロジックの効果に関する2論文を併載している。Icahn School of Medicine at Mount Sinaiの SandsらのVARSITYは、中等〜重症患者に対するベドリズマブとアダリムマブの効果・安全性を直接比較する第3b相試験である(n=769)。一次エンドポイントは、臨床的寛解(Mayoスケール合計が2点以下で、同スケール4項目のサブスコア[0〜3点]に1点を超えるものがないこと)である。

結論

ベドリズマブのアダリムマブに対する一次エンドポイント優越性を認めた(31.3% vs. 22.5%[差 8.8パーセントポイント])。内視鏡的改善でも優れたが、ステロイドフリーの臨床的寛解に関しては優れなかった。感染発生はベドリズマブ群が少なかった。

評価

2014年のネットワークメタアナリシスが「必要」としていたhead-to-head比較(https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/24842416)により、ベドリズマブのアダリムマブへの優越を示した。このような形で多数のバイオロジックの淘汰が進むものとみられる。

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(Top Journal)

The New England Journal of Medicine(NEJM)、The Journal of the American Medical Association(JAMA)、Lancet、Nature、Nature Medicine、Science、Science Translational Medicine、Cell