移植レシピエントCMV感染へのmaribavirは有望
Maribavir for Preemptive Treatment of Cytomegalovirus Reactivation
背景
抗サイトメガロウイルス(CMV)薬maribavirは、移植レシピエントのCMV感染治療に使えるか。ベルギーUniversitaire Ziekenhuizen LeuvenのMaertensらは、159名の患者(造血幹細胞・固形臓器移植)を対象としてその効果・安全性を検証する第2相試験を行った(対照:valganciclovir)。一次有効性エンドポイントは奏効(治療開始後3週間以内および6週間以内の血漿CMV DNA検出不能)患者率、一次安全性エンドポイントは有害事象発生率である。
結論
Maribavirの一次有効性エンドポイント効果を認めた(RR:1.20)。重篤有害事象発生率はmaribavirが高かった(44% vs. 32%)が、好中球減少発生率はより低かった。
評価
Breakthrough Therapy指定を受けており、未だ決め手のない適応に対する有望薬であることを示してP3が進行中である。ただし、ASCT患者での感染予防効果をみたP3は2011年に失敗している(https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/21414843)。