サハラ以南アフリカでのHIV治療のための新レジメンは
Dolutegravir plus Two Different Prodrugs of Tenofovir to Treat HIV
背景
HIV感染に対する抗レトロウイルス療法(ART)の現レジメンを、ドルテグラビル(DTG)やテノホビルアラフェナミドフマル酸塩(TAF)を含む新レジメンに置き換えることが提唱されているが、重要な使用地域であるサハラ以南アフリカでの選択は。南アフリカUniversity of the WitwatersrandのVenterら(ADVANCE)は、エムトリシタビン(FTC)+DTGに二種のテノホビルプロドラッグ(TAFまたはテノホビルジソプロキシルフマル酸塩[TDF])を併用する3剤レジメンと、現在の地域標準レジメン(TDF+FTC+エファビレンツ)を比較する第3相非劣性試験を行った(n=1,053)。一次エンドポイントは、48週でのHIV-1 RNA量が50コピー/mL未満であった患者の割合である。
結論
新規TAF・TDF ベース両レジメンの、現標準レジメンに対する一次エンドポイント非劣性を認めた。試験中止患者は標準レジメン群が多かった。TAFベースレジメンは他レジメンより骨密度・腎機能への影響が少なかったが、体重増が特に女性で著しかった。
評価
このような切り替えは世界的に推奨されているが、サハラ以南アフリカでは薬価問題が重要であり、その面でこの非劣性レジメンに高い有益性がある。他方、同地域での重要問題であるTBとの関連で新レジメンが現レジメンに劣らないかどうかは未だ確定していないようである。