サハラ以内アフリカにHIVの住民全員対象検査とART予防介入?
Effect of Universal Testing and Treatment on HIV Incidence - HPTN 071 (PopART)
背景
NEJMは、HIV感染が猖獗するサハラ以南アフリカでの予防介入戦略に関する3論文を併載している。英London School of Hygiene and Tropical MedicineのHayesら(PopArt)は、地域全員検診・予防介入戦略の効果を検証するRCTを行った(対照:標準治療;対象コミュニティ[ザンビア・南アフリカ]:21;n=48,301)。一次アウトカムは、12〜36ヶ月での新規HIVである。
結論
全員検診・ART介入戦略の一次アウトカム効果は示されなかった(調整後率比:0.93)。しかし、より低強度の介入では、HIV感染の新規発生は標準ケアと比較して30%減少した。
評価
一次アウトカム無効であった最強度戦略群でもウイルス抑制は見られたとしており、論文としては理解困難である。NEJM Editorialは幾つかの説明を示唆しているが、全体としては「全員検診・予防介入戦略は有効かもしれない」という仮説を生成したものとも見られる。