片頭痛に経口CGRP受容体拮抗薬rimegepant
Rimegepant, an Oral Calcitonin Gene-Related Peptide Receptor Antagonist, for Migraine
背景
片頭痛治療でのカルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)経路遮断薬の有効性が明らかになってきた。Albert Einstein College of MedicineのLiptonらは、同受容体拮抗薬rimegepantの効果・安全性を検証する第3相試験を行った(対照:placebo、n=1,186)。患者は、1年以上の片頭痛既往があり、中等〜重度の片頭痛発作が月に2〜8回起きる成人であり、試験薬は発作時に内服した。一次エンドポイントは、痛みおよび患者が認識する(痛み以外の)もっともつらい症状の、内服後2時間以内の消失である。
結論
Rimegepantの一次アウトカム効果を認めた(絶対差7.6パーセントポイント)。服薬後2時間でもっともつらい症状が消失した患者の割合でもrimegepantが優れた(37.6% vs. 25.2%)。高頻度の有害事象は、悪心と尿路感染症であった。
評価
NEJMは片頭痛で先行するCGRP抗体薬galcanezumabの群発頭痛に対する効果を示したP3結果論文を併載しており(https://www.nejm.org/doi/10.1056/NEJMoa1813440)、この受容体拮抗薬も間もなくFDA承認されるとみられる。同一経路に作動して作用機序も使用法も違う2オプションができたことは、片頭痛治療のランドスケープを変える。