膜性腎症へのリツキシマブとサイクロスポリン:対決試験
Rituximab or Cyclosporine in the Treatment of Membranous Nephropathy
背景
膜性腎症にリツキシマブを推奨する向きが増えており、サイクロスポリンとの対決比較が必要である。Mayo ClinicのFervenzaら(MENTOR)は、130名の患者を対象としてこれを検証するRCTを行った。患者は、5g/24時間以上の蛋白尿、定量クレアチニンクリアランス40mL/分/1.73m2以上で、3ヶ月以上RAS系ブロック治療を受けていた。一次アウトカムは、24ヶ月時点での蛋白尿の完全・部分寛解である。
結論
一次アウトカムでリツキシマブの優越性を認めた(リスク差40パーセントポイント)。リツキシマブ群は重篤有害事象も少なかった(17% vs. 31%)。
評価
もやもやしていた問題を確定にもたらした臨床試験で、NEJM Edirorialは「遅すぎる」としている。ただし、リツキシマブは30%もの症例で無効で、全患者のファーストチョイスになるわけではない。