没食子酸エピガロカテキン(EGCG)は多系統萎縮症の進行を食い止めることができるか
Safety and efficacy of epigallocatechin gallate in multiple system atrophy (PROMESA): a randomised, double-blind, placebo-controlled trial
背景
多系統萎縮症(MSA)は、神経細胞へのαシヌクレイン蓄積を特徴とする神経変性疾患である。独Ludwig-Maximilians-University MunichのLevinらは、没食子酸エピガロカテキン(EGCG)の効果・安全性を検証するRCTを行った(対照:placebo、n=92)。一次エンドポイントは、多系統萎縮症評価尺度(UMSARS)のベースラインから52週までのスコア変化である。
結論
EGCG内服の一次エンドポイント効果を認めなかった。全体的に忍容性良好だったが肝毒性も見られ、1,200 mg以上の使用は控えるべきである。
評価
注目のカテキンで、サプリにはすでに広く含まれており、多発性硬化症をふくめ多様な臨床試験が行われている。基礎研究ではαシヌクレイン凝集抑制によって神経毒性を減少させることが示されていた。他の臨床試験でも決定的な結果は未だみられないようである。