焦点性てんかんは進行性の神経変性疾患?
Progressive Cortical Thinning in Patients With Focal Epilepsy
背景
てんかん、特に焦点性てんかんは、進行性の神経変性疾患か。英 University College LondonのGalovicらは、190名の焦点性てんかん患者を対象として、この問題を検討するケース・コントロール研究を行った(対照:健常者141名)。評価は高解像度T1強調MRI画像で行い、主要アウトカム・指標はそこでのグローバルおよびvertexwiseな皮質菲薄化速度である。
結論
190名中146名(76.8%)の症例患者で、加齢に伴うものとは別の広範囲にわたる進行性大脳皮質菲薄化が観察された。この現象は特に、55歳以上かつ発作発症後最初の5年間で顕著であった。早期発症患者や海馬硬化を伴う患者で大脳皮質菲薄化の加速が見られた一方、発作頻度・大発作既往・抗てんかん薬量は関連していなかった。
評価
12年間の長期追跡で、加齢とてんかんの間の相互作用を初めて検討した研究である。焦点性てんかん患者では通常加齢で見られる以上に大脳皮質が薄くなっているという、臨床管理に影響しうる仮説を生成した。