中国で脳炎起因新規フラビウイルスALSVを発見
A New Segmented Virus Associated with Human Febrile Illness in China
背景
中国で、新規熱性疾患起因ウイルスが同定された。2017年発症した初発患者は42歳の女性で、当初ダニ媒介性脳炎ウイルス(TBEV)感染症とみられたが、TBEV RNA ・抗ウイルス抗体とも陰性であった。患者血中から病原体分離・同定を試みると同時にサーベイランスプログラムを開始し、更に86名の患者を発見した。RT-PCR法と細胞培養により病原体を検出、患者血中にウイルス特異的抗体を同定・定量しえた。
結論
同定されたのは未報告の分節RNAウイルスでフラビウイルスjingmenvirus属に属しており、Alongshanウイルス(ALSV)と命名した。治療としてribavirin+benzylpenicillinの静注を行った。25%で昏睡があったものの、全患者が回復した。
評価
同ウイルス自体はスクリーニングにより2014年にPNAS報告されており(https://www.pnas.org/content/111/18/6744)、中国の稠密なネットワークにより内モンゴルの患者が感染例であることを検知したもののようである。日本脳炎・West Nile・Zika等を含む重要なフラビウイルスだが、ALSVはそのセグメント性によりウイルス学的にもユニークであるという。


