高齢者の抗コリン薬長期使用は認知症リスク
Anticholinergic Drug Exposure and the Risk of DementiaA Nested Case-Control Study
背景
抗コリン薬は長期服用している老人が多い。英University of NottinghamのCouplandらは、同国QResearch primary care databaseに基づき認知症と診断されている55歳以上の患者58,769名と 225,574名の対照者を比較して、抗コリン薬処方と認知症診断の関連を検討するコホート内ケース・コントロール研究を行った。
結論
抗コリン性薬服用は認知症発症リスクと関連した:抗うつ薬(HR:1.29)・抗パーキンソン病薬(1.52)・抗精神病薬(1.70)・膀胱抗ムスカリン薬(1.65)・抗てんかん薬(1.39)。特に80歳以前に診断される場合に強い関連性があった。診断1〜11年前の抗コリン薬総曝露の認知症発症への人口寄与度(PAF)は10.3%であった。
評価
「薬で認知症になる」ということが都市伝説でないことを示した重要な結果である。他種の薬も含めた広汎な検討が必要である。