全身性強皮症の間質性肺疾患にニンテダニブ
Nintedanib for Systemic Sclerosis-Associated Interstitial Lung Disease
背景
ニンテダニブ(小分子TKI)は、現在特発性肺線維症治療薬として承認されている。スイスUniversity Hospital ZurichのDistlerらSENSCISは、全身性強皮症(SSc)に伴う間質性肺疾患ILD患者に対するその有効性・安全性を検証する第III相試験を行った(対照:placebo、n=576)。一次エンドポイントは、努力肺活量(FVC)の年間低下率である。
結論
ニンテダニブの一次エンドポイント効果を認めた(FVC年間低下率:−52.4 mL/年 vs. −93.3 mL/年)。二次エンドポイント効果は認められず、有害事象の下痢頻度はニンテダニブ群が多かった(75.7% vs. 31.6%)。
評価
現在承認薬のないSSc-ILDに対する最大の第III相試験である。予測されえた緩和効果を確認して、初の承認薬となることを確実にした。