髄膜炎・脳炎診断にCCFのメタゲノム次世代シーケンシング
Clinical Metagenomic Sequencing for Diagnosis of Meningitis and Encephalitis

カテゴリー
Top Journal
ジャーナル名
The New England Journal of Medicine
年月
June 2019
380
開始ページ
2327

背景

現在の検査水準では、感染性髄膜炎・脳炎の病原体は半数以上同定できない。University of California (SF) のChiuら(PDAID)は、脳脊髄液(CSF)のメタゲノム次世代シーケンシング(mNGS)技法の開発と試用を報告している。 全米8病院で小児・成人患者204名を前向評価した。mNGSで病原体陽性であった全例を独立臨床検査により確認した。後向チャートレビューにより臨床的有用性を評価した。

結論

全患者が重症で48.5%がICU入室、30日死亡率は11.3%であった。 58名の患者中、通常検査で同定されなかった 13名(22%)で病原体がmNGSにより同定された。mNGSで同定されなかった 26例中11例は血清学的検査で、7例はCSF以外の組織検体で診断され、8例では CSF中病原体力価が低かったためmNGS陰性であった。mNGS単独で診断された13名の患者中8名で臨床的改善が得られ、7名に対しては治療指針が確立された。

評価

高精度であるばかりでなく超高速である。まずセカンドライン検査として採用されるとみられるが、現在の方法の不十分さのため、ファーストライン化することも考えられる。

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(Top Journal)

The New England Journal of Medicine(NEJM)、The Journal of the American Medical Association(JAMA)、Lancet、Nature、Nature Medicine、Science、Science Translational Medicine、Cell