髄膜炎・脳炎診断にCCFのメタゲノム次世代シーケンシング
Clinical Metagenomic Sequencing for Diagnosis of Meningitis and Encephalitis
背景
現在の検査水準では、感染性髄膜炎・脳炎の病原体は半数以上同定できない。University of California (SF) のChiuら(PDAID)は、脳脊髄液(CSF)のメタゲノム次世代シーケンシング(mNGS)技法の開発と試用を報告している。 全米8病院で小児・成人患者204名を前向評価した。mNGSで病原体陽性であった全例を独立臨床検査により確認した。後向チャートレビューにより臨床的有用性を評価した。
結論
全患者が重症で48.5%がICU入室、30日死亡率は11.3%であった。 58名の患者中、通常検査で同定されなかった 13名(22%)で病原体がmNGSにより同定された。mNGSで同定されなかった 26例中11例は血清学的検査で、7例はCSF以外の組織検体で診断され、8例では CSF中病原体力価が低かったためmNGS陰性であった。mNGS単独で診断された13名の患者中8名で臨床的改善が得られ、7名に対しては治療指針が確立された。
評価
高精度であるばかりでなく超高速である。まずセカンドライン検査として採用されるとみられるが、現在の方法の不十分さのため、ファーストライン化することも考えられる。