「痛みのある胆石症には胆嚢摘出」は正しいか
Restrictive strategy versus usual care for cholecystectomy in patients with gallstones and abdominal pain (SECURE): a multicentre, randomised, parallel-arm, non-inferiority trial
背景
国際的ガイドラインは、有症状の胆嚢結石症に対して腹腔鏡下胆嚢摘出術を推奨しているが、エビデンスは堅固でない。オランダRadboud UniversityのReuverら(SECURE)は、腹痛症状を有し、腹部エコーで胆石を認める患者1,067名を対象として、従来治療介入と制限治療介入(Rome III基準をもととした5基準を満たす患者に胆嚢摘出術)を比較するRCTを行った。一次非劣性エンドポイントは、12ヶ月時の腹痛症状の消失である。
結論
制限治療介入の一次エンドポイント非劣性は示されなかった(56% vs. 60%)。制限治療介入群は胆嚢摘出術施行率が有意に低かった(68% vs. 75%)。両群間で試験関連胆石合併症・外科的合併症・非試験関連有害事象の発生率に有意差はみられなかった。
評価
非常に実践的な問題で、2014年のメタアナリシスは、結論は難しくより大規模なRCTが必要である、としていた(https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25164349)。要求に応えたRCTだったが、再び「非劣性とはいえないが、それほど変わりはないのではないか」という難しい結論を出した。費用効果の観点が加わると、より難しい。