チカグレロルの中和抗体薬は有望
Antibody-Based Ticagrelor Reversal Agent in Healthy Volunteers
背景
チカグレロルは汎用されているため、出血性合併症への懸念が強く意識されている。Harvard Medical SchoolのBhattらは、健常ボランテフィア64名を対象として、新開発の同薬特異的中和抗体PB2452の効果を検証する第I相RCTを行った(対照:placebo)。同薬静注前後に血小板機能検査を実施した(透過光血小板凝集検査法、血小板反応性に関するPOCP2Y12検査、血管拡張因子刺激リン酸化蛋白アッセイ)。
結論
PB2452によるチカグレロル効果の逆転を認めた。中和は静注開始後 5分以内に明らかとなり、20時間以上持続した(全アッセイ、全測定時点)。投与中止後のリバウンドはなかった。有害事象は、主に注入部位に関するものであった。
評価
強い需要のある適応で明らかに効果があり、第I相ではあるがすでに承認が確実とみられている。次のポイントは、患者を対象とする大規模試験で最適用量を決めることである。