AIが声調でPTSDを診断?
Speech-based markers for posttraumatic stress disorder in US veterans
背景
PTSDの診断は問診や自己報告に基づいて行われるため、客観評価が難しい。New York UniversityのMarmarらは、PTSD臨床診断面接尺度を用いて評価された戦場帰還兵の談話サンプルから得た40,526の音声特徴をランダムフォレストアルゴリズム(RF)により解析し、客観的談話マーカーによるPTSDのAI診断が可能かを検証した。
結論
18の音声特徴より得られたデータのRF解析結果のAUCは0.954で、PTSDの診断分類確度は89.1%であった。また、ゆっくりと単調的に話し、声のトーンも変わらず活動性も低い場合、PTSDの確率が上がるという結果も得られた。
評価
「AIがPTSDを診断」とメディアに広く取り上げられた研究だが、精神疾患における声調の重要性は広く知られている。PTSDを談話のAI分析だけで診断できる、という重要な仮説を生成したばかりでなく、スマホアプリの開発等に応用されうる。