βブロッカーの肝硬変使用にエビデンス
β blockers to prevent decompensation of cirrhosis in patients with clinically significant portal hypertension (PREDESCI): a randomised, double-blind, placebo-controlled, multicentre trial
背景
肝硬変における門脈圧亢進症(CSPH)にβブロッカーが使用されうるが、エビデンスは未だ堅固でない。スペインHospital of a Creu and Sant PauのVillanuevaら(PREDESCI)は、CSPH(肝静脈圧較差[HVPH]≧10mmHg)合併の代償性肝硬変患者201名を対象をプロプラノロール奏効群(HVPG減少≧10%)と非奏効群に分け、奏効群をプロプラノロール群(n=67)と対照群(n=68)に、非奏効群をカルベジロール群(n=33)と対照群(n=33)に無作為に割り付ける第IV相試験を行った。一次エンドポイントは、肝硬変の代償不全化(腹水・出血・肝性脳症)と死亡である。
結論
βブロッカーの一次エンドポイント有効性を認た(HR:0.51)。この効果には腹水の減少が主に寄与していた(HR:0.44)。有害事象は群間同等であった。
評価
古くは「無益」とされたこともあるアプローチだが(https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa044456)、スペイングループは真に有効となる条件の確立を目指していた。適切なHVPGレベルの患者での、特に腹水軽減のための使用に良質のエビデンスをもたらした。