VerubecestatのADへの予防的使用は有害無益
Randomized Trial of Verubecestat for Prodromal Alzheimer’s Disease
背景
Beta-secretase1(BACE1)阻害薬verubecestatの効果を軽度〜中等度アルツハイマー病(AD)患者を対象に検証したEPOCHは失敗したが、その原因は対象患者の病態が進みすぎていたためではないか。Merck & Co.のEganらは、記憶障害と脳アミロイドレベル上昇を呈するが、認知症の診断基準を満たさない患者を対象として、同薬の有効性を検証するRCTを行った(placebo n=485、実薬 n=969)。一次アウトカムは、CDR-SBスコアのベースラインから104週までの変化である。
結論
無益性のため試験は終結された。高用量投与群ではCDR-SBスコアは悪化し、有害事象は介入群が多かった。
評価
2018年の夏まで一流誌で「有望でユニーク」とされていた薬である(http://embomolmed.embopress.org/content/early/2018/10/15/emmm.201809717)。他薬でも囁かれていた「今までの試験は遅すぎた。予防的に使えば有益なのではないか」という仮説にも反証が現れた。