WHOの提唱する世界的なHCV根絶は「モデル上は可能」
Scaling up prevention and treatment towards the elimination of hepatitis C: a global mathematical model

カテゴリー
Top Journal
ジャーナル名
The Lancet
年月
March 2019
393
開始ページ
1319

背景

DAAの登場によりHCV感染症(HCV)治療成績は劇的に改善し、2017年にWHOは2030年までに罹患率を80%、死亡率を65%減少させるHCV根絶への方針を示した。イギリスImperial College LondonのHallettらは、血液感染対策・PWID対象医療サービス・HCV感染スクリーニングなどのシナリオを考慮したモデルによるシミュレーションを行い、WHO提唱のHCV罹患率・死亡率が達成可能かを検討した。

結論

予防策・スクリーニング・治療介入の完全パッケージを導入すれば、1500万例のHCV発生を防止でき、2030年までに罹患率を81% 、死亡率を61%削減できるとみられる。この帰結には、中国・インド・パキスタンというHCV高罹患国での対策が大きく影響する。

評価

WHO提唱のHCV根絶の国際介入が「実行可能」であることを保証したモデル研究である。実効化のためには当然十分な資金が必要である。

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(Top Journal)

The New England Journal of Medicine(NEJM)、The Journal of the American Medical Association(JAMA)、Lancet、Nature、Nature Medicine、Science、Science Translational Medicine、Cell