ADHD若年者への精神刺激薬使用に精神病誘発リスク
Psychosis with Methylphenidate or Amphetamine in Patients with ADHD

カテゴリー
Top Journal
ジャーナル名
The New England Journal of Medicine
年月
March 2019
380
開始ページ
1128

背景

メチルフェニデートとアンフェタミンがADHD治療に用いられているが、FDAは製薬会社に対し、これらの精神刺激薬はさらなる精神病や躁症状を引き起こす可能性があると記載するよう求めている。Brigham and Women’s HospitalのMoranらは、両薬のいずれかを処方された13〜25歳のADHD患者の保険請求データに基づき、この問題を検討するコホート研究を行った(メチルフェニデート・アンフェタミン投与群:各n=110,923)。一次アウトカムは新規診断精神病件数である。

結論

一次アウトカム発生はメチルフェニデート投与群で0.10%、アンフェタミン投与群で0.21%であった。アンフェタミンの新規使用はメチルフェニデートより一次アウトカム高リスクであった(HR:1.65)。

評価

両薬はアメリカでは何百万人もの若年ADHD患者に使われている一般的な薬であり、数千人規模で精神病患者を作り出していることになる。ただし、いずれの薬も使っていないADHD対照患者との精密な比較ではなく、エビデンスレベルは十分に高くない。

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(Top Journal)

The New England Journal of Medicine(NEJM)、The Journal of the American Medical Association(JAMA)、Lancet、Nature、Nature Medicine、Science、Science Translational Medicine、Cell