チオプリン製剤による骨髄抑制にNUDT15が関連
Association of Genetic Variants in NUDT15 With Thiopurine-Induced Myelosuppression in Patients With Inflammatory Bowel Disease
背景
炎症性腸疾患(IBD)患者で起こり得るチオプリン製剤による骨髄抑制(TIM)にTPMT変異が関連することが知られているが、近年、東アジア系人種においてNUDT15との関連が報告されている。イギリスRoyal Devon and Exeter HospitalのAhmadらは、ヨーロッパ系IBD患者を対象にGWAS(919名)・EWAS(961名)解析を行い、再現コホート(913名)でTIMとNUDT15の関連を確認した。
結論
GWAS・EWAS解析ともにTIMとNUDT15変異は関連し(GWAS:p=5.2×10^-9、EWAS:p=1.3×10^-8)、再現コホートでも確認された。TPMT遺伝子型・チオプリン製剤量と独立して3つのNUDT15変異全てがTIMリスク増と関連した(p=1.1×10^-7)。
評価
初めてヨーロッパ系人におけるチオプリン製剤による骨髄抑制リスクの遺伝子背景が示された。この関連はALL患者でも報告されている(https://www.nature.com/articles/s41436-019-0448-7)。