アメリカ研修医の長時間労働防止のためのACGME基準は柔軟化できる
Patient Safety Outcomes under Flexible and Standard Resident Duty-Hour Rules
背景
アメリカでは研修医の長時間労働防止システムの検討が繰り返し行われている。Children’s Hospital of PhiladelphiaのSilberら(iCOMPARE)は、ACGME基準システムに対する「柔軟プログラム(総労働時間は制限するが、シフト時間制限やシフト間義務的休息時間に関しては施設の自主性にゆだねる)」の安全性を検証するクラスター無作為化非劣性試験を行った(63プログラム)。一次アウトカムは、30日死亡率である。
結論
柔軟プログラムのACGM標準プログラムに対する非劣性を認めた。他の二次アウトカムに関しても優劣はなかった。
評価
柔軟化プログラムによって教育効果は下がらない、とした2018NEJM発表結果(https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa1800965)をフォローし、この戦略によって患者安全性は損なわれない、とした。アメリカのレジデントの週労働80時間制限は確定されており、上限を「柔軟化する」というプログラムではなく、日本での参考にはならない。