アメリカ研修医の長時間労働防止のためのACGME基準は柔軟化できる
Patient Safety Outcomes under Flexible and Standard Resident Duty-Hour Rules

カテゴリー
Top Journal
ジャーナル名
The New England Journal of Medicine
年月
March 2019
380
開始ページ
905

背景

アメリカでは研修医の長時間労働防止システムの検討が繰り返し行われている。Children’s Hospital of PhiladelphiaのSilberら(iCOMPARE)は、ACGME基準システムに対する「柔軟プログラム(総労働時間は制限するが、シフト時間制限やシフト間義務的休息時間に関しては施設の自主性にゆだねる)」の安全性を検証するクラスター無作為化非劣性試験を行った(63プログラム)。一次アウトカムは、30日死亡率である。

結論

柔軟プログラムのACGM標準プログラムに対する非劣性を認めた。他の二次アウトカムに関しても優劣はなかった。

評価

柔軟化プログラムによって教育効果は下がらない、とした2018NEJM発表結果(https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa1800965)をフォローし、この戦略によって患者安全性は損なわれない、とした。アメリカのレジデントの週労働80時間制限は確定されており、上限を「柔軟化する」というプログラムではなく、日本での参考にはならない。

関連するメディカルオンライン文献

大規模臨床試験、新規の薬・機器・手法・因子・メカニズムの発見に関する文献を主に取り上げ、原文の要約と専属医師のコメントを掲載。

(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(Top Journal)

The New England Journal of Medicine(NEJM)、The Journal of the American Medical Association(JAMA)、Lancet、Nature、Nature Medicine、Science、Science Translational Medicine、Cell