MRSA保菌患者の退院後ケアには除菌と衛生教育が有効
Decolonization to Reduce Postdischarge Infection Risk among MRSA Carriers
背景
メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)を保菌している入院患者は、退院後6ヶ月間の感染症罹患率が高いことが知られている。University of California IrvineのHuangら(CLEAR)は、MRSA保菌退院患者を対象として、衛生教育・除菌による再発予防効果を衛生教育単独と比較するRCTを行った(n=2,121)。一次アウトカムは、CDC基準定義によるMRSA罹患である。
結論
介入(退院後のクロルヘキシジン・ムピロシンによる除菌+衛生教育)の一次アウトカム効果が示された(HR:0.70)。また、MRSA感染による入院、他要因による感染、感染関連入院のリスクも下がった(二次アウトカム)。
評価
院内感染予防策によりMRSAの医療関連感染は減ってきたが、この研究により退院後の除菌と衛生教育の有効性も示された。しかし、いずれまたこれらの処置への耐性菌が出てくる、という声もある。