早産児の感染予防へのラクトフェリン有効性を否定
Enteral lactoferrin supplementation for very preterm infants: a randomised placebo-controlled trial

カテゴリー
Top Journal
ジャーナル名
The Lancet
年月
February 2019
393
開始ページ
423

背景

ラクトフェリンは抗菌活性を有しており、超早産児の遅発性感染(出生後72時間以降)を抑制すると報告されている。イギリスUniversity of YorkのMcGuireら(ELFIN)は、37施設の出生時在胎期間32週未満の早産児2,203名(ラクトフェリン群:1,099名、対照群:1,104名)を対象として、ラクトフェリンの有効性・安全性を検証するRCTを行った。一次エンドポイントは、微生物学的・臨床的遅発感染である。

結論

ラクトフェリンに一次エンドポイント効果を認めなかった。ラクトフェリン群で有害事象が2例みられた(下血・腸管穿孔)。

評価

多数のRCTからラクトフェリンは早産児における感染を抑制するとされてきたが、大規模RCTでそれを否定した。本試験と他RCTのメタ解析においても、リスク比0.89と境界域であり、現段階では遅発性感染の抑制目的のラクトフェリン使用は推奨されない。

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(Top Journal)

The New England Journal of Medicine(NEJM)、The Journal of the American Medical Association(JAMA)、Lancet、Nature、Nature Medicine、Science、Science Translational Medicine、Cell