aTTPにナノボディ薬caplacizumab登場
Caplacizumab Treatment for Acquired Thrombotic Thrombocytopenic Purpura
背景
Caplacizumabは後天性血栓性血小板減少性紫斑病(aTTP)に対する抗von-Willebrand因子抗体(Nanobody)薬である。ベルギーAblynxのHildeら(HERCULES)は、aTTP患者145名を対象として同薬の効果を検証する第III相RCTを行った(対照:placebo)。一次エンドポイントは、血漿交換終了後5日以内の血小板数正常化に要する日数である。
結論
Caplacizumabの一次エンドポイント効果を認めた(2.69日 vs. 2.88日、p=0.01)。TPP関連イベントはプラセボ群に比べ74%少なく、再発率も67%低く、難治性TPPはみられなかった。主要有害事象は粘膜皮膚出血であり、治療終了後の脳梗塞による死亡が1例あった。
評価
第II相においてADAMTS13低活性群に治療終了後再発がみられたことから、本試験ではADAMTS13活性によって治療継続の有無を評価している。すでにEUでは承認されているが、臨床使用では酵素活性評価が必要である。