エクソーム解析はCKD診断に有用
Diagnostic Utility of Exome Sequencing for Kidney Disease
背景
エクソーム解析は代謝性疾患や神経変性疾患といった分野の診断アプローチとして利用されているが、慢性腎臓病(CKD)に対する有効性の報告は十分でない。Columbia UniversityのGharaviらは、2つのコホート研究からCKD患者3,315名を対象にエクソーム解析を行い、診断率や各疾患別の遺伝子変異などを解析した。
結論
全3,315例のうち、307例(9.3%)において診断に至る遺伝子変異を同定し、うち66例は異なった単一遺伝子疾患であり、39例(59%)は患者特有の遺伝子変異であった。診断的遺伝子変異は、先天性/嚢胞性腎疾患(531例中127例[23.9%])や原因不明の腎症(281例中48例[17.1%])を含め、全ての臨床カテゴリーにおいて同定された。
評価
小規模研究で有用性が示唆されてきたエクソーム解析のCKDへの応用を、大規模コホート研究でより確かなものにした。約10%という診断的バリアント発見率はがんの場合と類似しており、フロントラインへの導入も十分に考えられる。従来の診断と一致しない症例も多く見いだされており、ネフロロジー全体へのインパクトもある。